2018年10月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

twitter

ねこちか


picture pieces

  • 手作りシュシュ 6
    日々のカケラたち

好きだ!


  • 笑うかのこ様 1 (花とゆめCOMICS)

« ぬーたいぷ | トップページ | 5月16日 »

2009年5月16日 (土)

午前五時の展望室

いい加減何か書きたくなってきたので、殴り書きで失礼ですが刹フェルをひとつ投下しておきます。

ほの暗い展望室。大きなガラス越しに目に映るのは深い闇と遠くに輝く恒星たち。
それらをフェルトはひとり見つめていた。時折彼女の目元から小さな光の粒が弾けとんでは宙に漂っていく。長い睫毛に縁取られた瞳が瞬きをするたびに零れ出る微かな涙のかけら。
声はなく、ただトレミーの僅かな機械音だけがどこか響いている。

そんな空間に入ってくる青い影。展望室のドアが閉まると同時に影は口を開いた。

「フェルト」

刹那は静かに呼ぶ。呼ばれた相手はゆるゆると振り向き、ほんの少しだけ首を傾げた。

「刹那」

フェルトの声も決して大きくはなかったが、ふたりしか居ないこの部屋では苦なく耳に拾える。刹那は軽く床を蹴り、無重力に任せてフェルトの側までやってきた。近くで見れば濡れた睫毛。

「泣いているのか」

手袋に包まれた手が自然と彼女の頬に触れる。フェルトもそれを自然に受け入れる。刹那の問いに俯き加減になったフェルトが呟くように応えた。

「前よりは強くなったと思うんだけど…でも、やっぱりたまに両親のことやロックオンやクリスティナたちのことを思うと、どうしても…」

「無理することはない。我慢しなくてもいい」

「うん」

頬に添えられていた手が後頭部にまわり、そっと引き寄せてきた。刹那の胸にフェルトの額が触れると彼女はほろほろと涙をこぼした。涙はたちまち粒となって刹那とフェルトの周りをふよふよと踊る。

泣いているフェルトの頭を抱きかかえながら、刹那は目の奥が熱くなるような、息が詰まりそうになるような、そんな感じを覚えた。
(これが泣きたくなるような気持ちなのかもしれない)
しかし刹那が涙を落とすことも声を上げることもなく、かもしれないという感覚だけで終わる。腕の中で震える頭に唇を近づけて目を閉じた。

「ごめんね」

落ち着きを取り戻したフェルトが発した言葉で目を開けた。抱えていた腕を緩めれば照れたような微笑みが向けられていた。ほっとして刹那の表情も柔らかさを取り戻す。

並んで寄り添うふたり。フェルトはその頭を刹那の肩に預けていた。

「あのね」

「ああ」

「たまにでいいからね…こうやって一緒に過ごしてくれる?」

フェルトが刹那を見上げて尋ねる。刹那が紅い瞳が捉えた緑の双眸は不安の色を含んで揺れている。

「いつでも構わない。フェルトが必要な時に呼べばいい」

「うん…ありがと、刹那」

刹那はもう一度頭を寄せてきたフェルトを今度は身体ごと抱き寄せた。

ちょっとのつもりが…
これはアレです。『モーニングムーン』(C&A)が刹フェルに合うんじゃないかと思ったのと、一期ロクフェル(9話だっけ?)と対になるようなシーンが書きたいと思ったのが混ざった感じです。
『モーニングムーン』全体的にはそう刹フェルじゃないんだけど、「愛だとは呼べず 恋と決めず 心から君を大事に思った」ってところがワタシの理想の刹フェルだなと。

あと書いてて思ったのは、ほらやれば書けんじゃん、てことですよ。
出来はともかく書き出せばなんとかなるんだね、ってな。

« ぬーたいぷ | トップページ | 5月16日 »

自分メモ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 午前五時の展望室:

« ぬーたいぷ | トップページ | 5月16日 »