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2016年11月29日 (火)

ご褒美【太芥】

フォロワーさんの学パロ設定をお借りして、家庭教師太宰さん×生徒がれちゃんの太芥です。
既存の学パロシリーズとは別軸ですが、フォロワーさんに学パロをリクエストしたら素敵な漫画を描いていただいたので萌えました。
学生時代から離れて久しいので、学業や模試についての描写が甘くても許してください(汗)

ご褒美

この春から家庭教師をつけてもらい、学習している。
某大学の学生だという太宰治さんの専攻は現代文学だというが、学業に際してはオールマイティにあるらしい。
「知識欲と探究心が人よりちょっと強いだけだよ」
笑って太宰さんは言うが、こちらから尋ねて日を持ち越して回答を得た問題はない。
もともと自分もそこまで成績が悪い訳ではなく、特に文系には強い方であったが理系で惜しい思いをしていたので、そちらを重点的に見てもらっている。
ちなみに、先生呼びではなく名前にさん付けなのは、最初の頃「太宰先生」と呼んでいたら、「先生と呼ばれると急に老け込んだ気持ちになるから、太宰さんでいいよ」と言われた為である。

先日の全国模試の結果が返ってきた。
国英の点数や順位に大きな変化はなく常のラインを保っていたが、数学は今回大幅に順位を上げた。太宰さんに教えていただいた成果が如実に現れ、嬉しく思った。
表情に出ていたのであろう、クラスメイトに「芥川が笑ってる……」とまるで珍獣でも目にしたかのようなことを言われる始末である。
授業の合間に模試の結果が出たことを太宰さんにメールすると、放課後太宰さんのアパートに寄るようにと返事がきた。
基本、授業は我が家の自室で受けるが、ごく偶に太宰さんの一人暮らしの部屋にお邪魔して受けることもある。何度か通った道なので既に覚えているし、また新しい参考書を見せてもらえるかもしれないし、それ以外にも太宰さんの本棚には興味深い書籍がたくさんあって、実はお宅にお伺いするのは密かな楽しみでもあった。
成績が上がったお礼に何か甘いものでも買っていこうと、少し浮き足立った気持ちで放課後を待った。

「へえ……数学がぐんと上がったねぇ。評価も申し分ない」
太宰さんの部屋でローテーブルに向かい合って座った彼が僕の模試結果に目を通して言った。
それだけで心が満たされる思いだったが、顔を上げた太宰さんがこちらに手を伸ばしくしゃり、と僕の頭を撫でたのには心臓が止まるかと思った。驚いて目を見開いていると、頭に置かれた手はそのままに髪をゆるゆると撫でた笑顔の太宰さんと目が合った。
「頑張ったね」
普段教えを請うているときは厳しい程であるのに、まさかそのように撫でられ笑顔で労いの言葉を掛けられるとは思わず、返事をしようと口を開くのに言葉が出てこない。
「だ、太宰さんのおかげです。貴方の指導がなければ、今回のような成績は出せませんでした。その上お褒めの言葉までいただけるとは……僕には過ぎた褒美です」
やっとのことで絞り出した台詞は震えていたかもしれない。
「ふむ、私のおかげか……では、私もご褒美を貰えるかな?」
こちらを撫でていた手を下ろして顎に指を添えていた太宰さんが首を傾げて聞いてきた。
「もちろんです!あ、といっても僕には高価なものは用意できませんし、出来る限りで……となりますが、僕に出来ることであれば何なりと仰って下さい」
これは心の底から思っていることで、嘘偽りはなかった。太宰さんがご褒美と思えるようなことが、自分に用意できるとも思えなかったが、気持ちだけは伝えねばと声を上げた。
「そんな難しいことではないよ。ちょっとそちらに行ってもいいかい?」
「はい」
太宰さんの問いに返事をすると、向かい側で立ち上がった彼が自分の隣りにやってきて座った。何が望みなのだろうか。言葉を掛けられるのを待っていると、ふと視界が翳った。あれ?と思った次の瞬間には頬に手が添えられ、唇に柔らかいものが触れた。

それが太宰さんの唇と気付いた時にはぬるりと舌を割り入れられ、何か言おうと開きかけた口の中の自分の舌が絡め取られていた。
太宰さんの舌が生き物のように僕の舌を翻弄し、咥内をいいように動き回っている。近づき過ぎて焦点の定まらない瞳に思わずぎゅ、と瞼を閉じれば口づけの感覚だけがダイレクトに脳を侵す。
どうしていいか解らないまま、ただされるがままに口づけを受けていると舌先から甘い痺れがやってきた。

気持ちいい……

感じた瞬間、「んっ」と鼻から音が漏れて自分で自分の声に吃驚した。
それが合図だったかのように太宰さんの唇が離れていき、自分はぼうっとしたまま目の前の彼を見つめた。
「次も頑張ろうね」
告げた彼の笑顔は今までで一番艶っぽい表情だった。

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