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2016年12月19日 (月)

雪の朝【太芥】

関東でも雪が降り積もった日に書きました。
雪の日の朝の太芥です。
『HOME SWEET HOME』の新婚太芥設定SS。

雪の朝

部屋の中は暖められているとはいえ、シャツを一枚羽織っただけの格好は心許ないだろう。しかし、彼は窓の外を熱心に見ている。
珍しくこの地でも雪が降った朝。ちらちらと舞う六花が彼の視線を捕らえて離さない。地に落ちればすぐに溶けてしまう雪。積もりはしない。
止んでしまえば降っていたことさえ忘れてしまいそうなそれを、彼は何に焼き付けたいのかじっと見つめている。

「冷えてしまうよ」
窓際に座る彼に声をかけ、後ろから相手を抱き込むように私も座る。触れた彼の身体は案の定冷えはじめている。
腕の中の彼がすり、と頬を寄せるように振り向いた。
「雪を見ておりました」
見ればわかるよ、という言葉を飲み込んで聞いてみる。
「どうだい?ヨコハマに降る雪は」
「何処かに触れるとあっけなく消えていきます」
すっ、と視線を窓の外に戻した彼が応える。

しばしの沈黙。
「沢山降るとね……」
私は言いながら彼を抱く手に力を込める。
「雪に全て消されるような錯覚を起こすよ」

遠い昔に見たような雪景色を脳裏に映し出す。
あれは実際に自分が見たものなのか、誰かの記憶か。

「そうなのですか?」
再び此方を振り向いた彼が不思議そうな声を出す。黒い瞳の中に小さな好奇心を見出した。
「いつか二人で見に行こうか」
全てを白く塗り潰してしまうような雪景色。
そこにぽつりと立つ自分たちを想像して少し可笑しくなった。
ふっ、と笑った私を君はどう思ったのか知らないが、頬に柔らかい唇があたったかと思うと触れたまま君は言った。
「はい、いつか必ず」

思いがけずねだられた約束。
私はその約束が零れ落ちてしまわないように、彼の唇に口づけた。

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